インターネット広告と個人情報

前回は広告主・媒体(メディア)視点からインターネット広告の歴史を見ていきましたが、今回はそんな広告がどのようにして私たちのもとに届けられるのかを解説したいと思います!

前回はこちら 

インターネット登場以前にもテレビや新聞、ラジオなど様々なメディアで広告は掲載されていましたが、これら既存広告とインターネット広告の大きな違いとして取得できるユーザー情報の量が段違いなため、より詳細なターゲットに向けて広告配信ができるようになったという点です。ではどのようにしてユーザーの情報を収集しているかというと、ブラウザごとに保存されるCookieという機能を使っているのです。

Cookie(クッキー)」はWebサイトが訪問者を識別する代表的な仕組みです。Cookieはブラウザを介してWebサイトにアクセスした訪問者のパソコンやモバイル端末にファイルを生成し一時的に保存します。このとき生成されるファイルには、訪問者を識別する「ユニークID」が割り振られ、そのユーザのID、パスワード、メールアドレス、訪問回数などが記録されます(ファーストパーティCookie)。Cookieはブラウザ単位で保存されており、ユーザーは自由に情報を削除可能です。

Cookieと似たものとして閲覧したWebページの情報を一時的に保存する「キャッシュ」がありますが、Cookieはパスワードなどユーザー自身がブラウザに入力した情報を保存するのに対し、キャッシュはWEBサイト自体の情報を保存するという違いがあります。

誤解しがちですが、Cookieは適用範囲が設定されているため、閲覧履歴と言っても通常Cookieを発行するWebサイトの範囲内に限定されます。つまり第三者が名前や住所、電話番号と言った「個人情報」を取得することは基本的にはできません。本来の目的で使用されていればとても便利な機能なのです。

トラッキングCookie(トラッカー)

「トラッキングCookie」とは、自分が検索し見ているWebサイトのCookieではなく、主にサイト内に埋め込まれたバナー広告を配信しているサーバーのCookieです。トラッキングCookieは、訪問者が実際には開いていないサイトから送信されることから「サードパーティーCookie」または単純に「トラッカー」と呼ばれることもあります。トラッキングクッキーは、ユーザーのブラウジング傾向などを収集し、興味・関心をもっている分野への広告利用に使用されます。

モバイル端末の広告識別子

上記のようにスマホ・タブレットでもCookieは使われていますが、それ以外にもモバイル端末を識別するために生成された一意の英数字の組み合わせた広告識別子というものもあります。

広告識別子は、ユーザーの端末にアプリがインストールされることで取得され、スマホやタブレットから送信された情報に基づいてユーザーの行動を追跡できます。ただし、このIDはユーザーが任意でリセットできる一時的なコードなので、完全に個人を特定できるものではありません。

また識別子はOSごとに2種類あり、iPhoneはじめiOSではIdentifier For Advertising (IDFA)、Android端末ではGoogle Advertising ID (AAID)に別れています。

Cookieは便利ですが、トラッカーに利用され我々ユーザーは情報を奪われたり、データ通信料を奪われたりしていることがわかったかと思います。ではこのCookieデータはどのように広告利用されているのでしょうか?

ターゲティング

Cookieに紐づけられたブラウザやスマホ・タブレットなどデバイスを1ユーザーとして、コンテンツの情報を分析してユーザーにとって適切と思われる広告を配信することをターゲティングと言います。ターゲティングでは、PCやスマートフォン・タブレットのブラウザごとのCookieのIDに紐づいて蓄積される情報(サイト閲覧履歴等)や、スマートフォン・タブレットのOSが発行する広告識別子に紐づいて蓄積される情報が使われています。 実際に特定の個人を識別しているわけではありません。

オーディエンスターゲティング

従来の広告枠という「スペース」に広告を出すのではなく、オーディエンス(Cookieデータ=人)に広告を出すという考え方のターゲティング手法です。ユーザーの属性情報や位置情報、行動履歴等の様々なオーディエンスデータを使って、ユーザーにとって適切な広告を配信します。オーディエンスデータ(セグメント情報)はデータエクスチェンジャーと呼ばれるデータエクスチェンジを行う事業者が、複数のポータルサイトと提携し、ユーザーのセグメンテーションを行い、アドエクスチェンジで入札・配信が行われます。

オーディエンスターゲティングでは下記のようにいくつかの識別方法があります。

行動ターゲティング(Behavioral Targetting)とはインターネットユーザー(ユーザーが使うCookie)の過去の行動履歴を解析・分析して、ターゲティングする対象ユーザー(人)を選別するターゲティング手法のことです。追跡型広告とも呼ばれます。2004年ごろから普及し始めました。広告主側のメリットとしては興味・関心の高いユーザーに広告を出せるため、コンバージョン(結果)を引き出せる可能性が自ずと高くなります。

リマーケティング広告では一度自社サイトやランディングページに訪れた人をターゲットとします。広告主サイト(またはアプリ)への訪問や、商品の詳細ページの閲覧、商品の購入等の行動を記録して、それに合わせたターゲティング配信やメッセージの最適化を行います。特定の広告を見たユーザーへ限定した配信設定するのでより効果が高まりますが、同じ広告が何度も表示されることへのユーザーからの嫌悪感をもたれる可能性もあります。

会員制のウェブサイトなどでは、会員登録時に自身の性別・年齢・職業・所得・結婚・興味関心などの情報を登録しますが、これらの情報を特定のユーザー群に対して、効果的な広告配信をするために利用する手法です。

利用者の位置情報(IPアドレス、GPS、Wi-Fiの接続情報などから居住地を解析)を利用した手法です。ターゲットの現在地や居住場所に合わせた情報提供が可能になり、地域に密着した広告やサービスを効果的に配信し認知を向上できるメリットがあります。位置情報広告、エリアターゲティング広告とも呼ばれます。

GoogleやYahoo!などの検索サイト内でキーワード検索を行うと、それに関連する広告が表示される広告を「リスティング広告(検索連動型広告)」と呼びます。キーワードターゲティング広告とも言われる。能動的に特定のキーワードで検索したモチベーションの高いユーザーに向けて広告を配信することができるため、集客効果の向上が見込まれます。

サイトの中身(コンテンツ)の属性に連動した広告を配信する。例えば旅行に関するコンテンツを含むサイトに旅行の広告など、それぞれのコンテンツを参照するユーザーへ各コンテンツに合わせて広告を配信できます。

以上今回はCookieをもとに我々のWEBでの行動が細分化され広告反映の基準になっているという話でした。思い返せばたしかに表示される広告って細分化されていますよね!現在サードパーティクッキーはデフォルトで防ぐ設定にしたあるブラウザなどもあり、ちょうど時代の転換期にきている感じはありますね!

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